日本の重要有形文化財『菜蟲譜』

「菜蟲譜」は伊藤若冲の作で、寛政4年(1792年)の巻子作品で、若冲77歳の作と云われています。若冲の数ある作品制作において、老齢になり力みが無くなり、垢抜けた表現をしていると評されています。一巻10.953メートルあり、所有している吉澤記念美術館では、全巻を展示することが難しく、前半の蔬菜や果物と後半の昆虫や両生類の巻を二回に分けて展示することが多くあります。

前半には約90種の蔬菜や果物が描かれており、後半には50種類の昆虫や両生類が描かれています。平成27年に全面修復が行われ、現在は当時の色彩が蘇っています。

伊藤若冲

作者の伊藤若冲の自画像

京都の八百屋に生まれた若冲は、絵の才能に長け、多くの傑作を世に出す。多くは宮内庁等に保管されています。

『菜蟲譜』は若冲晩年の作であり、他の作品と作風が異なり、絵巻物として仕上げられています。

 

 

富本憲吉

《色絵金銀彩水指》

吉澤記念美術館

吉澤石灰工業株式会社会長吉澤兵左氏(故人)の寄贈により平成14年6月に開館しました。土地、建物、展示されている美術品一切を寄贈され、多くのファンにそのすばらしさを供しています。

 

 

 

 

板谷波山

《彩磁呉州絵香炉》

交流施設

T美術館入口の両池の風を感じながら落ち着いた進入路。隣接して、交流施設には、各イベントが適宜開催され、別の雰囲気も醸し出しています。

 

 

 

 

 

 

川合玉堂

《孟母断機》

 

 


The!農村歌舞伎 『牧(まぎ)歌舞伎』

 

牧歌舞伎は江戸時代に江戸の歌舞伎役者“関三十郎”の旅公演の折、この地の若者衆に伝授し、今日まで伝承されてきました。

江戸、明治、大正、昭和と伝承されていた農村歌舞伎も、時代の波に押され、後継者の減少により、昭和46年を最後の公演として演じられました。この途絶える危機に、残された役者や熱意ある関係者によって地元若者に呼びかけられ、これに応えた若者が昭和56年「牧歌舞伎保存会」として復活し、今日に至っています。演目も徐々に増え、平成8年からは、地元中学生への指導も行われ、今日では公演の際は、必ず中学生の出演が行われています。

 定期公演は、隔年公演ですが、定期公演の間にも、各地から公演依頼があり、これらに応えています。

 

伝承館

 

 

 

葛生伝承館は、平成16年12月に開館し、葛生地域に伝承されている郷土芸能を中心に展示しています。メインに「牧歌舞伎資料」「浄瑠璃人形」が常設して展示されています。その他、企画展示がされており、楽しく拝観できます。入場無料。

 また、入り口には歌舞伎のフレスコ画作品のほか、西面の屋外壁には、大きなフレスコ画面が製作中です。2020年の東京オリンピック頃までには完成させたいとのこと。全面完成には10年以上を要する大作です。

化石館

 

葛生化石館』は、主に葛生地内で発見・発掘された化石類が展示されています。また、化石に限らず、「鉱都・くずう」を象徴する石の標本も多く、石の中に存在する化石なども一緒に観察できるため、子どもたちの学習の場にもなっています。

 ナウマンゾウの化石や葛生地内で発掘された貴重な日本サイの骨格標本、そしてミヤタマルガメなどは記憶に残したい資料です。

拡大鏡でないと見えない小さなものから、大きな標本まで展示されており家族で楽しめます。

出口付近に、フズリナの化石の入った石灰石のプレゼントがありますので、見落とさずに!

(佐野市立図書館) 葛生図書館

 

葛生図書館は、市町合併により、佐野市図書館の一つの分館となりましたが、元の葛生図書館の設立は古く、明治時代末期に町内の篤志家により、民家を活用して図書閲覧が開始され、多くの若者が図書に触れることができました。これが、葛生図書館の始まりです。

 大正13年7月13日に、町民の寄付金により、現在の葛生小学校の大ケヤキの傍に石造りの私立図書館が(蔵書約3,000冊・左の写真)として開設されました。

 同年10月28日には町に移管され、町立図書館として運営されるようになりました。

 その後、昭和35年、葛生会館建設に伴い、会館の2階に移設し、旧図書館は解体され、葛生小学校敷地となりました。

 さらに、昭和54年葛生町文化センター建設に伴い、センター内に移設され、平成28年に建設された葛生行政センターの一角に、再び移設となりました。

 このように地域に親しまれている図書館は数々の歴史を歩んで来ています。

 このように、創立に歴史があることから、他の図書館にはない貴重な蔵書もあり、地域にとって大切な図書館でもあります。

 

 

このように古くから活動を開始した葛生図書館は、巡回図書館の歴史も古く、町内各地を巡回して多くの町民に読書の魅力を伝えてきました。(写真)

 

文化の殿堂 〚 あくとプラザ 〛

葛生あくとプラザは、平成10年4月建設。座席数540席を有する大ホールをはじめ、会議兼用の小ホール、展示等で活用できるギャラリー、リハーサル室を備え、楽屋4室を有しています。地元に伝承されている牧歌舞伎の上演もできるよう花道や定式幕なども整っています。

音響が素晴らしいほか、舞台袖も広く、収容人員の規模からして、客席及び舞台設備が整っており、公演者から高い評価を受けています。

さらに、障害者にも配慮し、車いすスペースや舞台への登壇通路などの配慮がなされているほか、親子で観覧できる親子室も確保されています。

 また、ホールに隣接して、健康センターが建設されており、社会福祉協議会やデイサービス施設、さらに入浴施設や厨房設備など福祉の拠点としても活躍できるエリアとして活用されています。